射出成型金型でよくあるレーザー溶接の加工例を紹介します。

角出し

幅7mm程度の溝のフチを溶接しています。もともとはピン角でも金型を使い続けるとエッジがダレてくるため、角に肉盛りを施して復元することがあります。この後に機械加工を行うことで形状を復元します。多角形部の複雑な角も丁寧に仕上げます。

写真の四角錐(凹)や球面(凹)のように、面の肉盛を行う場合は肉盛りした全周にヒケが発生するため、丁寧にならしを行いヒケを除去します。肉盛り部分と元の面との接合部にご注目下さい。この部分が仕上がりに大きく影響します。
立ち壁肉盛り

金型の形状変更や寸法調整などで、垂直に近い面に肉盛りを行います。レーザーが溶接部に対して斜めに当たることで反射やヒケが発生しやすく、高度な技術が要求されます。
ランナ・ゲート修正

ランナ、ゲートとは射出成型金型における樹脂の通り道のことで、高温高圧の樹脂が流れ込むため傷みやすい部分のひとつです。写真のように傷んだゲート部を埋めて再加工を行うことで、ゲートを復元します。傷みが軽ければ、溶接量を抑えてヤスリや砥石だけで仕上げることも可能です。ご希望の場合は、溶接前にご相談ください。
点付け

作業ミスで小傷が付いてしまったことはありませんか?レーザー溶接なら写真のようにごく少量の肉盛もできます。
文字消し

製品面の彫刻文字なども、レーザー溶接なら必要最小限の肉盛りで埋めることができます。写真は分かりやすいように文字の上半分だけを溶接しています。
